母親の存在は圧倒的に大きなものです。
毎日の生活に加え、受験準備から考査当日も母親が誘導します。
子供の立場からも、大好きな母親からの愛情のこもった言葉を心の糧に全幅の信頼を置いています。
もちろん父親としても、母親任せにしないで家族全員で意識をもって、一致した行動をとることが大切であることは言うまでもありません。
母親を中心に小学校受験に臨む家族の心得として、3つのことがあります。
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焦らない(しっかりと計画を立てる)
焦りは禁物です。
早めに志望校となる小学校について下調べをすることは大きなアドバンテージ(有利)になりますが、先取りをして子供に不要なテクニックを教えたり、知識を詰め込んだりする必要は全くありません。
幼児期は子供一人ひとりの伸びる度合いが異なるので、むしろ逆効果ではないでしょうか。
この時期の子供は失敗を繰り返しながら、ゆっくり伸びていきます。
昨日理解できたことが、今日になって全然理解できていなかったことなども日常にありますが、焦らずに一歩進んで二歩下がる、二歩進んで一歩下がることの積み重ねです。
難問を解かせてみて、正解したことに嬉々としても、翌週には忘れて覚えていないことが多々あります。
「子供の仕事は忘れること」と思ったほうが精神的にも健全ではないでしょうか。
受験日近くなったら、色々なテキストに手を出さず、良質のテキストを選んで何度も繰り返し復習することが効果があります。
いつも周りとの比較はせずにしっかりと計画を立てて、確実に着実に計画通りに進めるよう心がけることが先決です。
叱らないこと(ほめて、ほめて、ほめちぎる)
子供を叱って得るものは何もありません。
親にとって都合のいい完璧な子供像を描いていないでしょうか。我が子はこうあるべきだ……と。
このような理想像を子供に強制しては自信を失うばかりか、情緒不安定を加速させ、無気力になるばかりです。
毎日繰り返される叱責の言葉に親の顔色をうかがいながら過ごすようでは、小学校受験が苦痛に思える心理状態に陥ってしまいます。
今まで何人もこのような状況を見てきました。
純真な心をもつ幼児期にそんな状況では心が痛みます。
逆に、自信を与えられた子供は着実に伸びます。
叱責や比較のような脅迫じみた言葉は、教育や躾になっていません。
もちろん愛情から出る叱責の言葉もあるでしょうが、子供は幼いながらも家族の言葉をよく聞いて、心の中で受け止めますので、言葉がすべてです。
家族の言葉から自信を得て成長していきます。
反対に、言葉で不安感を持ち、自信を失い、言葉で潰されていきます。
子供ができなかったことに触れるのではなく、できたことをほめる。
小さな成功をほめて、ほめちぎることです。
子供は向上心をもって一歩一歩成長します。
子供の能力を信じ、失敗やトラブルを感情的に処理せずに、あるがままの姿を受け止めたいものです。
忍耐の一言です。
決して、子供の性格を曲げてまで小学校受験にすり寄る必要はないのではないかと思います。
諦めない
小学校受験準備に全力を傾けて取り組んできたのでしたら、最後の最後まで諦めてはいけないのです。
途中経過に悲観的になったり自信を失ったりするのは、まず親からです。
それは家庭内での雰囲気や、子供との接し方などにも表れます。
「人事を尽くして天命を待つ」の姿勢を貫くことが大事です。
小学校受験には、合否の絶対的な基準値がありませんので、どんなに途中経過が良いと思っても、考査が終わるまで予断を許しません。
一方、途中経過が思わしくなくても悲観的になる必要はないのです。最後まで結果は分かりません。
あまりにも短期間での準備と、少々無謀な一発勝負のような賭けに似た受験を除けば、選択と集中、常に合格を信じ、前向きの楽観的な姿勢で合格切符を手にすることは可能だと思っています。
親が偏差値を取り上げて諦めてしまったり悲観的になったりしては、合格は遠のくばかりです。
明るく楽観的な家庭は、直前の試験結果が思わしくなくても、合格を頂いているケースを何人も見てきました。
最終段階の受験まで1カ月を切ったところで、「この先何をやったら良いでしょうか?」とよく聞かれますが、まだやれることはたくさん残っています。
あまり難しいことは避けて、今までやった物の復習を繰り返し行ったほうが良いと思います。
ここまで来て難しいことを与えて、自信を失わせる必要はないのです。
諦めは禁物です。