受験準備の過程で、合格の目安となる「偏差値」という指標がはっきりしないことが、小学校受験を不透明にしているのではないかと思います。
そして、志望校選びも一層難しくしているように思います。
実際は大手の幼児教室などで、年中時(幼稚園中組)の後半から受験の前日まで、合格判定の材料の目安として「総合」「学校別」などのテストを塾の会員以外にも皆さんに提供しています。
模擬試験を受けて、順位、偏差値、または合格判定の評価を知ることができます。
このようなテストを受けないで本番に臨むことは無謀につきますが、そのような受験生はまずいませんし、今までにお会いしたことがありません。
テスト内容は大きく分けると「ペーパー」「個別」「集団」「運動」などの項目です。
継続的に受けていると、全体の中の順位、教科ポイントや弱点、得意分野などが把握できます。
特に学校側のテストで、各校の出題傾向に合わせた模擬テストのような内容で、志望校として考査に臨む子供たちの中での順位と偏差値に加えて、「努力圏」「合格可能圏」「合格有望圏」など、合格判定が出されます。
親としては、毎回テストの結果に一喜一憂させられます。
中学・高校・大学受験と大きく違うところは、テストの受験者の総数が少ないことから、統計的な合否を決める正確な判定となりにくい点です。
次に、10ポイント以上も上がったり下がったりするケースが珍しくない、という点です。
中学受験ともなると、優秀な生徒は常にテスト結果は良くて、偏差値の違いは2~3ポイントの範囲内におさまり、これが偏差値5ポイントも上下するのは、よほど何か理由があったのでは?と、先生と家庭の間で緊急会議とばかりに考え込んでしまう事件になります。
一方、小学校受験の準備段階での模擬試験は、偏差値がびっくりするほどに上下することは不思議ではありません。
特に男の子の場合はそのような傾向が強いようです。
テストに臨む子供たちも一人ひとりのその日の「ノリ」次第ということになります。
その日の気分ややる気が結果に大きく反映されることもあるからでです。
そのため親は、テストのたびにいつも冷や冷やさせられます。
安定して高い偏差値の子供は、年齢相応か、それ以上に落ち着いて自立している子供といえるでしょう。
まずは偏差値50、そして55、最後に60と、3段階に分けて一段ずつ目標に句勝手進んでみるのも良いかもしれません。
学校別テストは過去の問題を反映した出題内容で、子供の得意や不得意がある程度反映される結果となります。
私の経験ですが、どの教室でのテストでも、偏差値が60前後の場合は「合格有望レベル」とします。
偏差値が55を超えない場合は、本番の考査でも合格の可能性は低いと考えています。
ただし、受験する各校の倍率が、2倍なのか、5倍なのか、10倍なのか、それ以上なのか、にもよります。
ですから、100%こうです、とは言い切れない部分がありますが、今までの結果から、やはり総じて模擬テストでの結果は、受験の合否とほぼ一致しています。
たまに、「どうした!いつもの130%の力が出たんだね~」という例もありますが、それはほぼ無いに等しいものです。
このような偏差値の結果に対し、一喜一憂しないことです。
偏差値が低いときも、弱点が見つかったと思い、復習に徹するようにしましょう。
偏差値60以上を何回もとっているのは実力の証です。
偏差値55以上を志望校として固めると良いでしょう。